夏の風物詩蚊取線香

蚊取線香

主に蚊を駆除する線香式の殺虫剤のこと。蚊以外の虫にも効果はある。実

は、いろいろある蚊の対策商品のなかで、使用時間中に同じ効き目を持続

させる力は、いまでも蚊取り線香が一番。有効成分は先端から6~8ミリ、

約200℃の部分から揮散(きさん)して長い時間空気中に浮かんでいる。

そのためタンスの後ろや部屋の隅といった狭い隙間にまで成分が届いて、

潜んでいる蚊を退治することができる。また、蚊取線香は火をつけること

で、熱によって殺虫成分が空気中に漂い、近くにいる蚊を殺虫します。そ

して、蚊を追い払う忌避効果もあり、蚊取り線香は、殺虫剤としても虫除

け剤としても使うこともできる。

蚊取線香の歴史

1886年(明治19年)KINCHO創業者・上山英一郎(うえやまえいいちろう)氏が

恩師・福沢諭吉先生から紹介されたアメリカの植物会社社長のH.E.アモア

氏から除虫菊の種子を譲り受けたことがきっかけで蚊取線香の歴史が始ま

った。除虫菊とは殺虫効果があると知られ、世界各地で殺虫剤の原料とし

て栽培されている。1890年に初めて棒状の蚊取線香が作られ、1902年に現

在の渦巻き状の商品が販売された。

概説

細いため殺虫効果も弱く、輸送の途中で折れやすいという欠点から、長時間

使えて効力を高めた丈夫な製品にするべく研究工夫を重ねた末、『金鳥』の

創業者である、上山英一郎夫人ゆきが“とぐろを巻いた蛇”を目にしたこと

がきっかけとなり、渦巻き型になったと言われている。