蝋燭の先端にある芯に火をともすと、炎の熱で周囲の蝋が融解して溜まり、 液体の蝋が芯を伝わって吸い上げられる。芯に吸い上げられた蝋が炎の周りで空気を取り込み ガスとなって燃焼する一連のサイクルが継続することで燃え続けることができる。 ろうそくの原理に関する代表的な著作にマイケル・ファラデー著の『ロウソクの科学』 がある。なお、光源の明るさの単位のカンデラ(燭光)は、元々、 特定の規格のろうそくの明るさを基準として決められた単位である。 最も原始的な形のろうそくは蜜蝋(ミツバチが巣を作るために腹部から分泌するロウ)を 使った「蜜ろうそく」で、紀元前3世紀頃には西洋や中国で製造されていたといわれている。 古代エジプトではミイラ作成などで古くから蜜蝋が使われており、 2300年前のツタンカーメンの王墓からは燭台が発見されていることから、ろうそくが古くより 使われていたと見られている。紀元前3世紀のエトルリア(現在のイタリアの一部)の遺跡から燭台の絵が出土し 、この時代にろうそくがあったことは確かだとされる。この時代の中国の遺跡でも燭台が出土している。 産業革命、石油化学工業の発達により18世紀後半以降、石油パラフィンからろうそくが作られるようになり 、工業的大量生産が可能になった。厳密には蝋ではないが、「ろうそく」として最も普及している。 一方、ろうそくに代わる新しい照明として石油ランプやガス灯も用いられるようになった。 さらに1840年代には白熱電球の研究が行われており、1870年代には実用的な白熱電球が発明された。
形状は基本的に、芯の周囲に円柱状に蝋を固めている。蝋の表面が螺旋状に凹凸加工されているものや、動物・人間・キャラクターなどの形に形成されているものもある。芯は縒ってあり、上端に一部が露出している。ろうそくの下面には燭台のピンを挿してろうそくを立てるために穴が開いているものが多いが、誕生日ケーキ用では金属箔で巻かれており、太く短い防災用ろうそくでは自立して安定するので穴は無い。