万年筆(まんねんひつ)は、筆記具の一種。 軸内に蓄えたインキ(インク)を毛細管現象によって 引き出し、ペン先を通して書写する仕組みになっています。 萬年筆とも書きます。また、英語ではまるでインクが泉のよう に湧き出てくるようだったので英語では“fountain pen(ペンの泉)” とも呼ばれています。
種類はメーカーや生産国によって様々ですが、形態別に分けると 次の3つのタイプがあります。
このほか、インキの補給方法では次のようなものがあります。
万年筆のペン先は合金でできており、それぞれ違った書き味を 生み出します。また、素材以外にも字幅やペン先自体の大きさによって その書き味も変わってきます。
万年筆の原型は今から1000年以上前、西暦953年のエジプトで誕生したといわれています。 その後、1809年にイギリスのフレデリック・バーソロミュー・フォルシュが軸後部のバルブを開いて軸内に貯蔵した インキをペン先に送るバルブ式のものを発明 、万年筆の特許を取得し現在の万年筆があります。同年、同じイギリスの ジョセフ・ブラマーが、軸を指で押してインキを出すものを考案し、 これをfountain penと名づけました。現在のような毛細管作用を 用いてインキを導き出す原理は、1884年アメリカの保険外交員L・E・ウォーターマンの 考案によるもので、この原理がその後も受け継がれています。 海外から日本に万年筆が入ってきたのは1880年代といわれています。 その後、日本人の大野徳三郎が初めて国産の万年筆を開発し、ピーク時は年間1,000万本前後の国産の万年筆を海外に輸出していました。
万年筆インクの中で、最も一般的なのが染料インクです。万年筆の色材に染料が使われているため、染料インクと呼ばれてます。 染料インクは水に溶ける性質を持っているため、万年筆の中にインクが残っていてもトラブルになりにくく、万年筆初心者さんでも扱いやすいのが特徴です。 一方、水に弱いため、書いた文字が濡れるとにじんで読めなくなってしまう事もあるので、注意しましょう。
水には溶けない性質の顔料を色材に使用しているのが顔料インクです。顔料は非常に細かな微粒子なので、染料インクよりもくっきりはっきりとした筆跡を楽しめます。 また、水に濡れてもにじまない耐水性、光に長時間あたっても色が褪せない耐光性共に優れているので、長期間保存したい書類などに使用するのがおすすめです。 一方、一度固まってしまうと溶けにくく、万年筆にインクを入れたまま長期間放置すると、万年筆を分解して修理しなくてはならない場合もあるので気をつけましょう。
今回は、万年筆やガラスペンなどに使われるインクのうち、没食子インクを作ってみました。
材料:お好きな色の紅茶、お茶などの茶葉 1杯、アラビアゴム 小さじ1(茶葉の種類によっては調整が必要)
茶葉をなるべく色が濃くなるように濃いめに抽出し、アラビアゴムを混ぜることで、インクを作ることができます。 アラビアゴムによって紙に対する抵抗が生まれ、色や形を保ったインクができます。
SIKIORI-四季織-
セーラーの人気シリーズSIKIORI-四季織-の万年筆インク。 日本らしい色名と鮮やかな色合いが注目ポイントです。
Maki-e
万年筆のボディに大胆に蒔絵をあしらったデザイン。パイロットの 人気シリーズです。2022年が始まったばかりの今、寅の干支デザインは大注目!
参考・引用サイト:ブランド筆記具の世界
セーラー 公式サイト
コトバンク
パイロット 公式